時は1年半以上遡り、2020年2月。私は一つの旅を終え、東京駅に降り立った。
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しかし本番はそう、ここからである。
まずは東京駅の黒塀横丁内にあるエビスバーで大人な時間を過ごす。
これが初めて寝台列車に乗る私の準備だ。
大人な時間と自分で言っている時点で大人な時間ではないのだがそこは気にしないでほしい。
そんな大人な私は「大人のポテトサラダ」を注文し(なお注文は通っていなかった)
ゆっくりと、前の旅に思いを馳せ(まだ終わってから1時間も経っていないが)
これから始まる旅への気持ちを高めていったのである。
以前、博多に住んでいた際は1か月に1度はエビスバーで一人飲みをしていたのだが、すでにそれは過去の記憶となっていた。
エビスバーに行きたいのはやまやまだが、わざわざこのために来るほどではない。難しいところである。
仙台のキリンシティで我慢している私の気持ちを察してほしい。(察さなくていいです。)
ギリギリ収まる表示がまた良い。
そしてその下に平塚行があるのもまた良い。
私の地元は平塚の近くなのだが、平塚行は滅びてほしいと思う人種である。この気持ちに関しては察してほしい。
ホームに上がるとすでに数人が列をなしていた。
10分と経たないうちにサンライズ出雲・瀬戸号が入線してきた。
無駄なことをするな、という声が聞こえる。幻聴だ。
ここが何号車かよく見ていただきたい。
そう、10号車である。
私が今回乗車するのは14号車である。なぜこんなところにいるのか。
勘のいい方はお気づきだろう。シャワーカードである。
サンライズ出雲・瀬戸にはシャワールームがついている。
A寝台であるシングルデラックスには専用のシャワールームがあるが、それ以外の座席や個室に対しては、まとめて一つのシャワールームしかないのである。
利用するためにはシャワーカード(320円)が必要となり、車内でのみ購入ができる。
そのシャワーカードを買い求めるために10号車から乗車するのである。
事前に知っておかなければ、いざ買うときに売り切れになっていることも十二分に考えられるだろう。
このように発売開始と同時に、知っている者たちはシャワーカードを買いに向かうのだ。
私が買い終わったときにはすでに後ろに6人程度の列ができていた。
シャワーカード発売機の近くのラウンジ。誰でも利用することができる。
部屋と反対側の眺めをゆっくり見たい時などおすすめだろう。
かなりぶれてしまったが、のびのびシートの車両である。
かなり多くの人が利用しており、少し密になっているように感じる。
(もちろん2020年2月当時はそんなこと気にもしていなかったように思える)
ちなみにこの号車にはシングルの座席があり、1階しかないので天井がかなり高いという特典付きだ。
ただし台車だか車輪の上だかで少し騒音がするらしい。機会があれば乗車してみたい。
あまり来ることがないだろう最後尾の部分である。
14両編成の14両に乗車したためこちらに来ざるを得なかった。
ここまで長かったが、ようやく乗車である。緊張感が高まってきた。
ちなみに乗車率は50%程度だったろうか、周りの部屋でも空いているところが多く見えた。
今回はB寝台個室、シングルの個室を選択した。
そこまでは良かったのだが、もう少しシャワールームが近いところにすればよかったと準備不足があらわになった。詳細は後述する。
時間が多くない中でも酒、つまみをしっかりと購入しているところはポイントが高い。
新幹線のように人目を気にせずに好きなものを好きなだけ食べたり飲めたりできる。本当に走るホテルである。
もちろん匂いがきつすぎるものは勘弁だが。
画像右手中央、取っ手の奥側にはしっかりとコンセントがある。
設備案内。シャワールーム。やはり遠い…
各車内にはアラームやSOSボタンなどがしっかり配置されている。
おそらくここから音声が流れるのであろう。
したらば、私は大好きだ。
今回乗車したのはサンライズ出雲シングルの2階席。サンライズのシングルは○号車△番の△の部分が20番台であれば2階席、それ以外は1階席である。
個人的には2階席の方が眺めがよいので好きだ。
変更しているのは元々逆区間(出雲市→東京)を買っていたのだが行きの福島からの新幹線で気が変わって逆向きにしようと考えたからである。
変えなかった場合、出雲での滞在時間は3時間程度。無駄が多すぎる。
少し気になったのは窓が上に向かってカーブしているので光が結構反射することである。
夜は特に気になるが、撮影に若干支障があるくらいでそこまででもない。
カーテンと言えばよいのか日よけと言えばよいのか…おろすとこのような感じである。
外からは結構車内が見えてしまうので(最初の方の写真参照)
着替えたりする際にはしっかりと閉めるなどの対策が必要である。
発車後、車内の電気を消灯してみた。
以前は東海道線ヘビーユーザーだったので、普段明るい車内から見る景色を真っ暗な車内から見ると
なぜだかわからないが非常に感動を覚えた。
これだけでも非日常感を味わえる。大人である。どこがだ。
品川を過ぎたあたりだろうか、シャワーの様子を見てこようと思い移動している最中、シャワーカード販売機と再会した。
すでに売り切れており、人気の高さをうかがうことができた。
やはり買うのであれば乗車してからすぐがベストだろう。それかもう乗車前に風呂に入るか。
ちなみにシャワールームは争奪戦が激しい。夜のうちは3回くらい見に行ったが、すべて入っており、2,3人の待ちが発生していた。
…おそらく横浜。
帰路につく人々を見ながら寝台で酒を飲む。上級国民のようだ。
…真の上級国民は高級ホテルと飛行機を使うのだろうが。
…おそらく熱海…のあたりであろう。
熱海駅で東海道線を走る特急列車(踊り子号など)と新幹線の乗継割引は2021年の3月で廃止されてしまったが
新幹線とサンライズ出雲の乗継割引は健在である。
と言っても東京ー熱海間の自由席特急券は1,760円。サンライズ号の特急料金は大抵3,240円なので、半額になっても1,620円。
メリットは東京駅を若干遅く出発できることくらいだろうか。
(といっても東海道新幹線の最終三島行は東京駅22時48分発だが、熱海での乗り継ぎに間に合わない。よって22時12分発の静岡行きになるのだが、時間差は20分ちょっと。限りなく微妙である。)
熱海を過ぎたころから酒が入っていることもあり、また全く景色が見えなくなったこともあり、睡眠モードに突入した。
寝れるかどうかは人によるだろうが、私はまあそれなりに寝ることができた。
人によっては心地良い揺れだろう。
さて、時間は過ぎ気づくと大阪を過ぎ神戸三宮の近くまで列車は走っていた。
京都や新大阪の周辺は完璧に寝過ごしたということになるがまあ気にしないでおこう。
とりあえず昨日の夜浴びれなかったシャワーを確認することにした。
空いてる…ようだが?
前の人が出てから5分待たなくてはならないようだ。
この説明を見てわかる通り、湯水の出る時間が6分間であり、使用できる時間が6分間というわけではないのでゆっくり(まあ次の人がいるかもしれないから常識の範囲内で)
シャワーを浴びることができる。
脱衣所。スリッパくらい並べろよというコメントはお断りしております。
それなりに広いが余裕があるわけでもない。
シャワールーム内。シャンプー・ボディーソープは完備。右上のstart、stopボタンでシャワーが出たりする(んだったはず)
前の人が使ったのが気になる…という方も
シャワールーム洗浄ボタンがあるから念のため押しておいても良いのではないだろうか。
使い終わったらちゃんと自分でも押す必要はある。
ちなみに購入したシャワーカードは写真右下の部分に差し込む。
まあドライヤーもあるので持っていく必要はない(もちろんパワーはお察しなので場合に応じて…)
以上、シャワールーム報告でした。
さて、浜松を出た後、姫路に停車し、その後は
Okayamaに到着するのである。
8番線到着、お出口は左側だった。
「番線」と「のりば」は同意と捉えてもらって大丈夫だ。地域性の問題…だった気がする。
岡山駅でサンライズ瀬戸と出雲、行き先ごとに分かれて運転をする。
サンライズ瀬戸は発車と切り離し同時に行うので瀬戸に乗車する人は切り離し作業を見ることはできない。置いていかれる。
なんで…と思う方もいるだろうが…まあドアを開きながら列車動いてたら危険すぎるだろう。ということだ。
以前は事前予約で弁当を購入できたようだが、そのサービスも2020年の9月頃に終了しているようだ。
セブンイレブン ハートイン岡山駅在来線改札改札内店は6時から。
(恐らく上の改札口まで上がる必要がある)
おみやげ街道岡山駅瀬戸大橋線店は6時25分から営業している。
(到着番線に変更が無ければ恐らく到着ホーム上にある)
朝ごはんを買う時間はあるだろうが、それなりに人出はあるだろうから事前に買っておくのが一番良いだろう。
最新の営業時間などは次のリンクより各自調べてほしい。
切り離し作業の場所には結構な人数がいた。何が楽しいのだろうか(見に行ってる自分が言うのも変な話だが)
岡山駅は5,6,7,8番線が同じホーム上にあるようだ、控えめに言って意味が分からない。
サンライズ瀬戸の出発後約3分ほどでサンライズ出雲も発車をする。乗り遅れないようにしてほしい。
夜明けだ。ここまで長かった…ようにも思えるが、出雲市まではまだ3時間ある。
地味にこの3時間は過ごしにくかった。
まず景色を見たいとき、ベッドに座るしかない。しかも割と揺れるので背もたれが欲しいがそれがいまいち無い。というかあっても固い。
足ブラで座るなら窓に背を向けてドアを目の前にするしかない…ラウンジに行くのをおすすめする。それかもう寝るか。私は寝た。
倉敷を出ると本格的に山沿いを走る伯備線に入っていく。
しかしやはりこの駅名表示を見ると西日本に来たな…と思うのは私だけではないはず。
高梁川だと思われる。
左手に線路が伸びていることからおそらく芸備線との分かれ道である。
松江駅に到着。時刻は9時30分頃である。冬だが流石に夜もあけてきた。
そしてついに…
宍道湖に来た。広い。ただただ広い。
朝からこれを見ると気分がすがすがしくなる。
窓開けられたら一番良いのだがそういうわけにもいかない。
ちなみに進行方向右手で部屋からは見ることが出来なかったので、ドア付近から撮影をした。
東京駅を出発して約12時間。遂に出雲市に到着した。
サンライズ出雲は初めて乗車したが、非日常を味わえる非常に興味深い体験だった。
機会があればぜひまた乗車したい。
私は飛行機よりも時間に余裕があればこちらも利用することを強く推奨する。
…本当に余計なことを言うと、羽田7:10→出雲市8:35というJAL便がある。
出雲空港から出雲市内まではバスで約30分なので時間が無い人はこちらを使うと良い。早めに予約すれば値段も2万5千円とそこまで変わらない。
そんなこんなで無事に出雲市駅に到着した。
遅れもなく、10時頃に出雲市駅に降り立つことが出来た。
なお翌日仕事のため、滞在可能時間は10時間もないのでちょっぱやで回らなくてはいけない。
次回からはその様子をお伝えしたい。
長くなってしまったが今回はここまでである。
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